【当店オリジナル 12ヶ月点検実施ステッカー】
※ 12ヶ月点検をご利用時に、ご希望のお客様に差し上げております♪
さて、『12ヶ月法定点検』。自動車をお乗りの方にはもうお馴染みの1年点検です。はじめてオートバイにお乗りの方には特にご説明が必要ですが、まずお伝えしたいことは、“オートバイは定期的なメンテナスと点検が必要な乗り物”であるということです。
冬季を利用して定期点検をご利用いただく方が多いこの時期。再度内容のご案内をいたします。
ベガスでは6ヶ月毎の点検メニューをご用意させていただいておりますが、その必要性と有効性が高い点検がこの12ヶ月点検と車検前24ヶ月点検。
12ヶ月点検・作業中の H-D FLTRX103
おもな点検項目は、『エンジン・点火、潤滑装置、動力伝達、足回り、制動装置(ブレーキ関連)、灯火装置など』で、その総項目数は約80項目にものぼります。
このプロによる徹底した点検により、普段ご自身による日常メンテナンスではなかなかできない各種消耗品のチェックから、各ボルト類の緩み確認&増し締め、さらには未然のトラブル予防へとつながります。まさに転ばぬ先の杖となるワケです。
【点検の項目数は約80項目】
画像は『整備点検記録簿』。
点検内容は、海外製品であるハーレーダビッドソンに合わせ当店独自に追加を重ねたビッグボリューム。
さらに長年に渡って蓄積されたメカニックの知識もこれに加えられるワケです。
点検完了の証ともなる整備点検記録簿は車輌お渡し時に発行されます。1年毎の点検記録簿を大切にファイリングしておくと愛車のメンテナンス履歴をしっかりレコーディングでき、将来的なメンテナンスの参考や、各部のメンテナンススパンを割り出す役にも立ちます。
ところで、当店にて車輌購入いただいたお客様や、車検のご利用をいただいたことのあるお客様ならご存知とおもいますが、改めまして、
『法定点検の点検項目』って具体的にご存知ですか?
お客様によっては『全部任せてるからねぇ』なんて声も聞こえてきそうですが、今一度その内容だけご承知おきいただけるとお店にとってもありがたいです。
そこで!
【当店でバイクをご購入のお客様にはお馴染みの納車整備内容一覧】
ベガスでは、点検の前後で実施項目を解りやすくご理解いただくために、『点検整備記録簿○解りボード』を設置して、実際にはどんな内容の点検を実施しているのかご説明をさせていただいております。
さらに、点検記録簿の読み解き方って知ってますか~?
これも、ポイントだけ押さえれば読むのが楽しくなっちゃうかも知れませんので、重要なポイントをレクチャさせていただきますね♪
赤線で囲まれている凡例が、各種点検作業内容。
点検記録簿中、各項目あたまのチェックボックスにこの記号が記されます。
表示のとおり、
点検実施箇所は レ点
部品交換が発生した箇所は ×
分解点検した箇所は ○
などに加えて、
清掃は 『cleaning』の C
など、英語の頭文字が記号として使われています。
調整は Adjustment のA
給油は Lubrication のL
締め付けは Tightening のT ※ トルク管理のTなんて言うこともありますが(笑)
とあらためて英訳してみると、
うん、ナルホド。
ですよね!
ではここから、具体的な作業実施内容の一例ですが・・
赤丸で囲まれた『L』は給油でしたね。
スロットルコントロール部の給油です。
ご覧の様にコントロールBOXを分解して給油されます。
つまり、この作業には、
① 分解点検
② 脱脂・洗浄
③ 給油
の3項目の作業が含まれているワケです。
どれも重要な作業ですが、最終的に給油を行ったことを優先して『L』の記号が記されます。
スロットルスリーブ(スロットルの内部)も同じく、ケーブルに使用するグリスとはことなるルーブにて給油しますが、同じく、分解点検後古いルーブを脱脂洗浄した後に添付します。
これにより、スムーズなスロットルの動きに!
長年自分でメンテしてきた旧車でシッカリした点検を受けるのが初めて。なんて方はスロットルを開いたこれだけでも驚かれる場合があります。
その他、オートバイには可動部がたくさん。
クラッチやフロントブレーキなどのハンドコントロールや、フットブレーキやシフター付近なども同様で、記録簿には『L』= 給油 と記してありますが、必ず 『分解点検 + 洗浄・脱脂 + 給油』 がセットで実施されています。
※ 画像は給油ポイントを見やすくするためにグリス添付直後のものですが、この後余分なグリスを拭き取り完了です。
適切なグリスアップが滞っていると、動きが悪く、金属磨耗の原因ともなります。
その他、分解すれば解るけど自分で分解するのはなかなか・・
なんて箇所も。
エアクリーナーは家庭のエアコンのフィルタを思い出してみてください。
知らず知らずのうちに汚れます。特にブローバイガスが戻る際に染み込むことも汚れ原因のひとつ。
軽度の汚れは清掃の『C』でOK。
要交換の場合は交換記号の『×』ですね!
汚れたプラグは電気がリークしてロスファイヤーの原因にも。
スパークプラグの焼けチェックは基本項目内ですので、交換をご希望の方はプラグ代金だけで交換されます。
キャブモデルの方は、プラグを持ち歩いたりご自分で交換される方も多くおりますが、インジェクションモデルオーナーは比較的交換経験が少ないようです。
チューニングしたマシンも汚れたエアクリーナーやプラグではせっかくのパフォーマンスが低下し、燃費低下にもつながります。
新品交換をする際は、ちょっと一手間。
スレッドコンパウンドを添付してネジ部のカジリを防止します。
コレも自分で交換するのとはひと味違いますでしょ?
ハーレー純正採用の2次ドライブベルトの外観チェック。
こでは恐らくベルトプーリーに小石が挟まり穴が空いちゃってます。
シッカリメンテされていれば長期間に渡って使用できるパーツです。ツーリング途中で切れると即レッカーでツーリング終了。もちろん基本点検項目ですのでバッチリ点検されます。
ラットバイクでもここだけはキレイに♪なんて昔からよく言われてます。
インナーチューブのサビ。
コレを落とさずにいるとフォークシールにキズを付けてしまいフォークオイル漏れの原因となります。フロントフォークのメンテナンスはショップ側の推奨伝達が控えめで各お客様判断が多いこともあってか、長期間・長走行距離にわたって未実施!なんて方も多いです。そんな場合はフォークオイル交換だけでなくフォークオーバーホールが有効な場合もあります。
さて、さて、これからの冬時期にトラブルが多くなるのが、、
バッテリートラブル!
まず、季節には関係なくハーレーなどの振動が多いバイクはバッテリーターミナル(端子のボルト)の緩みが大敵!ですので定期的に締め付ける必要があります。
ロックタイトで固めちゃえば?
なんて言われたこともありますが、金属痩せを考慮すれば締め付けと固定は箇所によっての分別が必要です。というわけで固定してはダメです。
万が一ターミナルが緩むと・・
点火不良を起こし、マフラーから爆竹を鳴らしたような音が発生し走行困難となったり、セルスターターを押した瞬間に全ての電装が遮断されたりします。家で電子レンジとティファールポットを一緒に使うとブレーカーが落ちちゃうアノ感じです。
いづれも、締めつけで解消する場合が多いですが、工具を当てなければ解らないレベルでの緩みでも発生しえますので、なかなかお客様による現場での自己修復が難しい箇所です。やっぱり点検が頼みの綱。
そして、近年ではショップ側の呼びかけも浸透してかインジェクションモデルオーナーを中心に、『バッテリー = 日頃充電して使うもの』のご理解が高まり、家庭で定期的に充電している方が多くなりましたが、屋外駐車のお客様など物理的に充電できない方もおります。
定期点検にて、中身の見えないバッテリーの状態が判ります。
画像は当店が点検時に使用する、バッテリー診断機のレシート。いわばバッテリーの成績表。
こんなメッセージが出てきたら要注意☆
お預かり車輌は必ず補充電を実施しますので、多くのバッテリーで充電レベルは上がりますがその他のテスト結果が総合され診断機が判断します。経年が進んでいたり、上がり歴のあるバッテリーも要注意。
膨大な点検項目の一部をご紹介させていただきましたが、これだけでも大切ですよね!
と、ここで少し脱線。
12ヶ月点検ではなく、24ヶ月点検や当店販売車輌の納車整備で実施される代表的な項目をご案内しましょう♪
ブレーキの『揉み出し洗浄』耳慣れないかもしれませんがとっても重要な定期点検作業です。
ブレーキ関連は定期点検項目の中でも特に項目数が多く、オートバイの基本動作である『走る・止まる・曲がる』のひとつで、メンテナンス不足は心理的な不安心を煽りやすい部位と言えます。
作業としては、ブレーキキャリパーおよびブレーキパッドを分解し専用の洗浄液で洗浄します。ブレーキまわりはホイールのお手入れの際にも気付くように、ブレーキダストと呼ばれるヨゴレが相当量発生します。洗浄時はまるでブルーハワイシロップのように透き通た洗浄液が真っ黒になっちゃうくらいです。
そして、ブレーキパッドのリミットもパッドを取り外すことにより、車体に取り付けられての外観からではわからない偏摩耗や動きも点検することができます。
【新品のパッドが上/下が要交換のパッド】
ブレーキパッドを正しい交換時期に交換できずにリミットを過ぎると、最悪ブレーキディスクを削ってしまいます。するともれなくディスクも交換することに・・。ディスクは高いから避けたいですよね。
ブレーキディスク自体にもリミットがありますが、画像の『マイクロメーター』にて精密な数値を測定いたします。
そして、もうひとつ大切なポイント。
前後アクスルシャフトの状態点検とグリスアップ。
アクスルシャフトとはタイヤの回る軸棒です。
長期にわたりグリス切れの状態で走るとこんな状態になっちゃいます!
中にはサビにより抜けない場合も・・。
この状態が続きシャフトが摩耗すると最悪交換です。
こうなってしまう原因のひとつが、ハーレー用のクルーザー用タイヤのライフの長さ。年間走行距離が比較的少ない場合、タイヤのパターンは軽く3年以上残ることとなり、このメンテナンスを別途しないでおくとタイヤ交換の時に開けてビックリ!ではなく、そもそもシャフトが抜けない!なんてことになりかねません。
なんて書くとタイヤの話に移っちゃいますが、シーズン中は山岳ツーリングを楽しんでいただいているなんて方は、タイヤパターンがまだ残っていても経年で交換を推奨いたします。
シッカリ、焼けを落としピンクに染まったアクスルシャフト。
ウン、よく動きそう。
そして、コレがサビや摩耗の防止に繋がるのです。
そして、このアクスルシャフトのメンテナンスとセットになるのが、『ホイールベアリング』のメンテナンス。
重要級クルーザーであるハーレーは例えスポーツスターでも、走りながらベアリングのトラブルを察知するのは至難の技。でもちゃんとパフォーマンスは落ちてるんですよね。
ですので、最も有効な手段が分解時の点検。
交換が必要な場合はこのタイミングで交換。
そして、長持ちしてとの願いをグリスに込めます。
さて、いつか特集にしなければと思っていた記事なのでビッグボリュームになりましたが、メンテナンス不足が原因の怖~い画像を見て今日はお別れです。
リザーバータンク内をキレイに洗浄して満たされたブレークフルード。
キモチいいです♪
そうそう見る光景ではありませんが、、。
起こりうる事実です。
見るからにドロドロ。
動きもNGで交換のベアリング。
EVO以前のリジッドマウントエンジンはエンジンマウントの緩みにも注意したいです。万が一走行中に緩むと、、
今すぐレッカーを呼ぼうかと思うほどになります。
今回は、12ヶ月点検の重要性をお伝えするための記事でしたが、もう何度も2年ごとの車検を通してバイクを維持されているお客様。経年や走行距離が進んだ車輌の場合特に、車検期間である2年間の中間にあたるように12ヶ月点検を挟むと安全で快適なツーリングを楽しめることはもちろん、車検時の作業分散や費用低減にも効果があります。ぜひご利用ください。
そして、お預かり点検と同時にカスタムを!なんてご要望ももちろんOKです。
カスタムしたあとの納車もオーナーにとっては嬉しい記念日ですものね!
当店のお預かり車輌スペースは十分にございますが、年末・年始のサービス工場は混雑が予想されますので早めのご予約をお願いいたします。
では、バッチリメンテナンスした愛車で冬のバイクライフを思いっきりお楽しみください。
ベガスホームページへGO!
ベガス3号
ショールーム&サービス工場
TEL047-703-3322
ベガス本店
サービス工場&カスタムペイント工房
TEL047-360-8190
info@vegas.co.jp
★ ★ ★ ★ ★ ★