2021年4月13日火曜日

【機械構造レベルで強くなるカムシャフト のつづき】

 さて、前回からのカムシャフトのつづき。


カンタンに書こうと思ってもなかなかカンタンにならないのですね。この手のネタは。


あまり他のショップブログとしては題材テーマになっていない理由が解りましたw


さて、



カムシャフトの形状がバルブの開閉をコントロールしています。

高さが『リフト量』
輪郭の形に対する角度が『デュレーション』
と呼ばれます。

リフト量が
大きいとより高回転型、小さいとトルク型

デュレーションが
大きいと高回転型、小さいとトルク型

となります。

ノーマルカムは、厳しい規制のためにトルク、高回転ともに抑えられていると言われますが、リフト量、デュレーション共に小さいカムシャフトです。

ならば上記の理屈からノーマルカムは一見トルクは強そうですが総じて混合気を抑える目的の設計のため全域の力不足が否めません。

そのことからも、ハイカムにすれば確実に全域のパワー補填プラス、エンジンの長寿命化も含めた理想的なパワーアップが可能なワケです。

...が、膨大なカムシャフトの商品数の中には、たとえば回転数的な理論値で時速140、150キロ以上から加速することを狙ったものや、関連するエンジンパーツを大規模に交換・加工して使用するものも含まれます。

また、ハイカムについて調べ出すと『高回転型』とか『ハイトルク』というワードが頻出するので、『スピードを出すライダー向け』と誤解されがちですが、当店で実際に採用しているお客様の多数は、ツーリングでの『操作しやすいマシン』や『キモチよく走れるマシン』といったような趣向性の一環としての体感アップを目的としている場合がほとんどです。


さてさて、解説に戻しますが先で触れた『リフト量』と『デュレーション』がバルブが開閉する量とタイミングと時間の長さを決めています。


カムがバルブを開閉するタイミングのことを理解する上で重要な図解ですが、ハーレーの4ストロークエンジンは、クランクが2回転する間にピストンが上がって、下がって、上がって、下がっての計4工程で1発爆発して排気する繰り返す仕組み。その間に吸気と排気バルブを動かすカムは1回転します。

ここで、ピストンが
一番上にある状態を『上死点/TDC』
一番下にある状態を『下死点/BDC』
と呼びます。

上死点/TDC前であるピストンが下がる前から吸気バルブが開くとより燃料を多く取り込めるというのがカンタンなイメージです。



一方、対になる吸気バルブがこのように動きますが...

その動きを重ねてみると!



両バルブが同時に開いている時間が現れます。
これを『オーバーラップ』と呼び、『排気』に『吸気』を引き込む効果が発生します。

このオーバーラップがより長いほど高回転型となりますが、ノーマルの状態においてのオーバーラップはほとんどありません。


この後は、自分がどんな走行シュチエーションでどんな乗り方をする上で、どんなマシンにしたいというイメージから理想的なカムシャフトを選ぶかというコトですが...

きょうはここまで!
水曜日は定休日♪



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