ここ近年でその認知度がかなり上がった感の強い『フロントフォークスプリング』のチューンナップ。
当店で実施を希望される方のきっかけは素朴な不満からです。
「前から薄々気付いていたんだけど、自分のハーレー、、」
“フロントフォークが柔らかすぎる”
“ブレーキがあんまり効かない”
の声からが多数です。
米国製クルーザーとして緩やかなコースを走行する“大陸的”とも言われるサスペンションセッティングのノーマルハーレー。
我々がツーリングだけでなくチョイ乗りでも走るような、コーナリング、高速道路のギャップ(つなぎ目)や路面店に進入する際の段差、急制動、頻繁な市街地のストップ&ゴーなど固有のシチュエーションに追従するためには日本流にちょっとイジってやる必要があるワケですね。
そして、フロントフォークスプリングのチューンナップ後の声はと言うと、、
・フロントブレーキでシッカリ止まれるようになった
・走行時は安定感が増し、乗り心地が良くなった
・コーナリングの怖さがなくなった
・嫌な路面の凹凸に悩まされなくなった
がよくあるインプレッションですが、ひとつめの“ブレーキの効きが良くなった”の感想が最初に聞くひとことですね。
さて、ではなぜバネを良くするとブレーキングが向上するのか?
それは、ブレーキが効かないと感じるのは、素朴な不満の素であった踏ん張りの効かない柔らかすぎるフロントフォークが原因だからです。その場合、ブレーキングして沈み込んでいる最中の挙動では制動力が逃げてしまっているわけです。逆に極端に固くしすぎた場合はどうなるかというと、跳ねる、ロックする、などの現象が起きやすくなります。つまりしなやかでありながらコシがあるセッティングにすることによりブレーキングのロスが少なくなり、ブレーキング時にバイクが前のめりになるノーズダイブ現象も抑え、挙動が少なくなる分、安定してブレーキコントロールが出来るようになるのです。
それが、日本の道を走るに適したフォークスプリングの強みです。
もうひとつ、当店ベガスではフロントフォークチューンナップを実施した数多くのお客様が“体感できる”理由があります。
当店では、フロントフォークチューンナップの際、単に部品を交換するだけでなく『フロントフォークのオーバーホール』を必須実施しております。
☆ フロントフォークオーバーホールの重要性 ☆
長く乗られているH-Dは、ついついフォークオイルの交換が滞ってしまっている場合も未だにございますが、フロントフォークはフォークオイルの交換だけでなく定期的にオーバーホールすることによって性能が維持されます。
【オーバーホール中のフロントフォーク】
画像にはアウターチューブが写っておりませんが、フロントフォークオーバーホールは、フロントフォークを取り外し、アウターチューブ、インナーチューブを全分解し、使用により汚れた内部を洗浄・脱脂の上、各消耗品を交換します。これによりフォークの性能が向上し、本来のパフォーマンスを発揮できるフォークに生まれ変わります。イメージ的にはフォークオーバーホールにより新車時の状態に戻る感じでしょうか。さらに、サンダンストラックテックなどの高性能スプリングキットを組み付ける際、合わせて粘度を工夫した高性能フォークオイルを充填することが多いですが(トラックテックKITの場合は特注オイルが付属)、その場合には分解することによって古いオイルを全て除去し、より正確な油面(油量)調整を行うことがはじめて実現します。
☆ 忘れられがちなフロントフォーク、放置するとどうなる?! ☆
チューブ内は密閉された空間ですが、内部ではスプリングの伸縮と連動し制御バルブという小さな孔をフォークオイルが通過する工程が繰り返されています。これによりメンテナンスが滞ると、オイルスラッジが多量に蓄積し、ひどい場合は沼の底のように沈殿している場合も。こうなると各部の消耗が加速する原因にもなりますし、オイル温度が加熱するなどの理由から性能が下がる可能性も。
☆ オーバーホール時には要の消耗品をバッチリ交換 ☆
フロントフォークの消耗品としては経年によってオイル漏れを引き起こすシール類もそれにあたりますが、一定走行距離を走った車輌の場合、フォークスプリングもヘタりが発生します。
【フロントフォーク、性能の要はやはりスプリング】
スプリングのヘタりは性能面への多大な損失を及ぼします。でも以外に日頃何気なく乗っていると、徐々に慣れてしまうことからその変化に気付きにくいものだと言われます。
【インナーチューブだけはキレイにと聞いたことありますよね?】
ベテランライダーならこのくだりを先輩やら誰からやら聞いたことがあるハズです。この薄ら横線のついた金属部がサビたり汚れるとフォークがストロークした際に、フォークオイルを留めておくシールを破りオイル漏れの原因になるからです。また、このインナーチューブの横線模様はホーニングといいフォークオイルをアウターチューブ内に留めると同時に接面の潤滑を司るための模様ですが、働きすぎたインナーチューブはこれが磨り減ってピッカピカに輝きます。すると新品のシールに交換しても漏れます。フォークオイルが。。そんな場合にこのインナーチューブを交換する必要があった場合、長寿命で接面がすり減りにくい『ハードクローム インナーチューブ』をオススメします。また、せっかく交換するなら少しフォークを伸ばしてみたいという方はチューンナップ前にご相談ください♪
さて、このオーバーホールと高性能のフォークスプリングキットを組み合わせることによって最も理想的なフォークチューンナップとなり、ビフォーアフターが体感できちゃうというワケなんですね。
フロントフォークチューンナップはマシンが手軽にアップグレードする楽しさと安全面が向上する大切さを再確認いただけるいい機会とも感じさせていただいておりますが、これに直接関連するパーツとして、『ブレーキ』と『タイヤ』をアップデートしたいといわれるお客様が増えてきております。
次回はそのお題を!
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