いよいよ今日で最終回のカムシャフト解説☆
今回は数あるカムシャフトの選定方法をお伝えいたします。
カタログのカムシャフトのページ。
『どれにしますか?』
と聞かれることはまずありませんが、選定する考え方と数値の見方を知っておいても損はありません☆
前回、カムシャフトの特性は『カム山の高さ』、『カムの輪郭形状に対する角度』によってバルブの『開く量』、『タイミング』、『開いている時間の長さ』を操作することによって得られるパワーアップであると書きましたが、その内容を数値化したものがカタログの表で『カムプロフィール』と呼びます☆
【Timing Open/close】
【Timing】はバルブの開閉タイミングをint(吸気バルブ)/exh(排気バルブ)別に角度で示していますので...
【Overlap】
カムの特性を決めると言われるオーバーラップはOPEN時のintとCLOSE時のexhを足した数値となります。
【Duration】
デュレーションはバルブが開いている長さを示していて、クランク1回転360度に対しint(吸気バルブ)が216度、exh(排気バルブ)が220度開いているということ。
◎ 2+180+34=216
【Valve Lift/Valve Lift TDC】
これまで読んだ方ならお解りかもですが、カム山がバルブを押し上げ開く量を指しています。
例題だと、吸気が最大で0.473インチ、排気も同じく0.473インチ開くという意味。
Valve Lift TDCは上死点時にバルブが開いている量のことで、これは主に加工などを要するチューンナップを狙った際に吸排気バルブの相関を示す指標。
ここまでが、ひととおりの数値の見方でしたが、数値の持つ意味や特性を知ることもチューンナップハーレーを所有する楽しみのひとつではないでしょうか?
...しかし、実際には多くのお客様に採用されているハイカムは決して突飛でた数値を持ったモノではありません。
...それは?
【マジョリティは“ボルトインカムシャフト”】
『ボルトイン』は大幅な加工や周辺パーツの変更なしに交換できるカムシャフトのことで、チューンナップ費用を抑えるだけでなく、セッティングによる特性の偏りや機械的な耐久性低下リスクも抑えます。また、カムシャフト交換をされる多くの方はノーマルのエンジンからのパワーアップを求めており、用途はレースではなくツーリングです。
最後に例題の比較に戻りますが、下の525HSはTC96から107ci用のボルトインカムです。
先に触れたように、ハイカムは一般的にストックの状態と比較して、デュレーション、リフト量、カムの狙いによってはオーバーラップの数値が大きいことが特徴です。
たしかに、カムプロフィールという数値上のデュレーション、リフト量の特徴を離別すると高回転型またはトルク型という客観的な特徴が言われますが、ボルトインカムはハイカムである以上ノーマル比全域でのパワー&トルクアップを手に入れることが可能です。
ボルトインカムには普段街乗りやツーリングで多用する2000回転付近からパワーが感じられたり、パワーバンドと呼ばれる回転数領域が広域なものが多く、例えば6速TOPからの追い越し加速が軽快に出来たりと走る楽しみが加速します。
もし、ボルトオンカムでは飽き足らないなんて方も一緒に深みにハマりつつお付き合いさせていただきますw
...と振り返れば全然カンタンにならなくて、無理に締めくくった感満載ですが、詳しくはお店でご相談くださいw
close 20:00
毎週水曜日定休