2019年2月5日火曜日

【続・足回りを鍛える ブレーキ編】

またまた前回からの続編。
お伝えしたい内容が多く3部作に。

本来難解なイメージの強いサスペンションのチューニングが手軽に出来るようになったことはハーレー業界にとって評価されるべきことであると同時に、サスペンションに関連するブレーキやタイヤなどのパーツや、関連する箇所の点検や清掃メンテナンスといった事柄に、ユーザーがより『安全面』に対する意識を高く持つきっかけとなっているのも事実でその功績はかけがいのないことと感じます。

前回のおさらいとしては、ノーマルハーレーが搭載する米国セッティングのサスペンションは、より高性能なパフォーマンス系サスペンションを用いて、フォークオーバーホールすると誰もが体感できるほど激変するという内容。

そして、その変化に感動したお客様の声で最も多い変化が、
『フロントブレーキを使って止まれるようになった』
というコメント。

店頭でも、「まずフロントサスペンションをやるだけで変わるんですよ」と伝えてきてはいますが、飽くなき探究の果てにあるのが『本当にブレーキは効いているのか?』という疑問。


■『ハーレーはブレーキが効かない』と言われたエボリューション(初期ツインカムも)以前のブレーキキャリパー。


99年式初期ツインカム以前の多くのモデルに
採用された純正ブレーキキャリパー


通称バナナキャリパーと呼ばれたショベル期
純正採用フロントキャリパー


当時のブレーキキャリパー構造が、近年では主流であるブレーキピストンがディスクローターを挟み込む両側に配置された対向複数ピストンではなく、片押し1ピストン構造であったこと、また、ハーレーの比較的重たい車重、リアよりに着座するライディングポジション、そして、米国走行用のサスペンションセッティングなどがそう言われた主な原因。


【PM製 異形 対向6ピストンキャリパー】

当時そのブレーキ制動力の向上とドレスアップを兼ねて流行したのがパフォーマンスマシンをはじめとしたブレーキキャリパーの強化。ビレット削り出しのパーツはその高級感が際立つがブレーキシステムの場合、ビレットパーツの剛性の高さが一番のウリ。



■現行ハーレーの進化したブレーキシステム

一方、近年リリースされている現行モデルはNISSIN製やBREMBO製が純正採用され、よりハイパフォーマンスなシステムへと進化している。


スポーツスター系に純正採用されている
NISSIN製ブレーキキャリパー。


早くからABSを取り入れたツーリングモデルは
BREMBO製が採用されている。


さて、ここで本題に戻しますが、新旧ハーレーのブレーキシステム自体の性能差はありますが、サスペンションのチューンナップ後に体感できる『ブレーキが効くようになった』は、ブレーキング時にロスしていた挙動を抑えられることによって生まれる体感です。

つまり、当然ではありますがブレーキシステム自体の制動力がUPしているわけではないのでそこにもまだ余地がありそうです。



■ ブレーキシステムのアップグレード

一般に、ブレーキキャリパー、マスターシリンダーのアップデートを指します。どうしてもキャリパー交換のイメージが先行しますが、マスターシリンダー容量とのマッチングが必要だったりトータルチューンしないと効果が体感できなかったりする問題も。ただし各有名ブランドよりボルトオンかつノーマルマスターで使用できるハーレー専用のパフォーマンスブレーキキャリパーがリリースされていますので期待が高まります。



ハーレー専用  BREMBO 4-Piston Brake Calipers


サンダンス【T-SPEC】Pit Bull’ 4-Piston Brake Calipers


徹底的にやるならシステムの一新がよろしいでしょう♪
でも一番のネックはそのコスト。



もっと手軽にブレーキ性能を高めたいというご要望に対しては、ブレーキシステムのメンテナンスとブレーキパッド交換をオススメいたします☆



やっぱり、性能を発揮する源はメンテナンスから。
ブレーキキャリパー、パッドを分解し、専用の洗浄液を使用し揉み出し洗浄します。キャリパー内やパッド部はブレーキダストによって真っ黒に汚れます。洗浄後の洗浄液はモチロン真っ黒に。この作業によってピストンやパッドの動きを良くするのです。この作業光景を見るだけでもブレーキが効くようになる意味が解るかも?!

当店ベガスでは、ブレーキパッド交換時、24ヶ月法定点検時に必須実施されますので該当作業のご利用時は特段ご注文いただく必要ナシ。

そして、動きの良くなったブレーキキャリパーにセットするはレギュラーのブレーキパッドよりもグレードの高いパッドをお選びいただくのも選択肢。




【LYNDALL BRAKES オーガニックパッド】

当店の扱うスタンダードブレーキパッドの倍以上の価格の高級ブレーキパッド。
カタログ表記上では、標準ブレーキパッドの+30%の制動力とうたわれており、その素材は高性能アラミド繊維の最新技術を活用した有機素材。有機素材=オーガニック 製パッドはブレーキディスクへの攻撃性が抑えられ、比較的ブレーキダストの汚れが少ないことも特徴。旧車用のラインナップが少ないことが残念。ショベルユーザーの方にははDPブレーキをチョイスしました。



上記でもお伝えいたしました、幅広い年式をカバーするランナップが特徴。材質は金属質を多く含んで制動力を高める設計のシンタードメタル製。オーガニックに比べてブレーキディスクに与える消耗は大きい分、効きの良さを求めたもの。

さらに、ショベルやパフォーマンスマシーンなどのアフターマーケットキャリパーまで幅広く適合する純国産のSP-BRAKESもオススメの一品です。

SP-BRAKES 


今日ご紹介したブレーキパッドとしては唯一の純日本製のブレーキパパッド、SP-BAKES。低温時からの制動力に優れ、特に鳴き特性、効き安定性を向上させており、 尚且つローターに優しいハーレー専用 設計のブレーキパッド。 あの日清紡ブレーキより本商品専用に供給された角板SP-2Aを使用。厳選された材質は他に類を見ない「ノンスチール」「ノンアスベスト」のアラミド繊維を基材とし、 環境負荷物質を極限まで抑えた原料を使用しております。 材料選択から製造まで拘りぬいた S・PROUD の純国産プレミアムブレーキパッドです。

大手H-D用パーツディストリビューターのスリーマイルズTCによる流通という信頼つきの商品です。


さて、ご紹介した商品は全てスタンダードなものとしては割高の商品ですが、もう1ランク上のブレーキをというお客様に取付させていただくことのある裏メニューパーツでした。

お試しいただく価値の高い商品としてオススメいたしますが、『よく効くブレーキ』とは、単にブレーキシステムだけでなく、サスペンション、ブレーキシステム、そして路面を直接捉えるタイヤといった各部品の総合的な性能面を差し、コントロールしやすいということが重要だと言えます。モチロン、メンテナンスも含めて♪

お店でぜひご相談ください☆



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