さて、前回に引き続きのお題です。
前回は...
ハーレーのバッテリーは定期充電が必要!
従来品より高機能な充電補助器『オプティメイト1プラス』を導入!
の内容でした。
店内用ポスターを久しぶりにガンバッテつくりましたので、そのおさらいなまでに...。
さて、ここからが本編。
現在当店でハーレー用として取り扱っているバッテリーは主に2商品です。
H-D純正バッテリー(左)
スリーマイルズSVRバッテリー(右)
現在ネットを含むマーケットにはこれ以外のバッテリーも販売されており、中には格安のものまで流通しているようですが...トラブルの話も十分に得ております。
当店が最も推奨する商品がH-D純正バッテリー。
ではなぜ純正バッテリーがいいのか?ですが...
まずは、中身の秘密。ハーレー純正バッテリーは他の密閉型MFバッテリーと異なり『AGM』と呼ばれるグラスマットに充電液を染みこませた構造となっております。その他内部は各部に耐震構造が設けられ、振動による衰弱化対策と、高トルクエンジンをクランキングさせるための出力を保持する耐久性が備わっています。
もうひとつのヒミツ。バッテリーターミナルと呼ばれる接続端子。
ご覧のように、H-D純正バッテリーの端子部はブロック状をしております。
この端子形状は振動の多いハーレーにとってキモとなるポイントで、パテント取得に含まれています。
・振動に耐えうるだけのトルクをかけ締めることができる。(緩み防止)
・高トルクで締められるので端子とケーブルの密着性が高まり、大排気量エンジンをクランキングする際にかかる発熱やショートのリスクを下げられる。
当店にてバッテリー交換や端子部の増し締めをする際は、規定トルクが掛けられるプロ用のレンチを使用し、きっと皆様が思っているよりも相当に強く締めつけております。
車載工具に入ってるこんな短いレンチで締めたらダメです。
これは車載工具なので応急処置くらいにしか使えません。
ちなみに、汎用バッテリーの端子を比べて見てみると...
バッテリー端子、緩んだらどうなるのか?
・接触不良により端子部のショートが起こる
・ショートにより端子が熱を持ち最悪溶解する
・少しでも溶けてしまうと端子接合面の密着性を失い、まだ本体が生きていても廃棄するハメに
・旧車などの場合、ショートに連動して点火系統の装置が故障する
当店データによると、ご家庭の車庫に差込み電源(コンセント)がなく、充電の都度バッテリーを外さないとならない環境の方など、ご自身でバッテリーの着脱をおこなう場合に緩みが発生している率が高いことも現実です。
また、緩みの初期段階ではこんな症状がサインとなることがあります。
・セルスタートによるエンジン始動時。はじめにイグニッションスイッチをONにするといつも通りライトやインジケータ類が点灯するが...、セルスターターを押した瞬間、全ての電源がバチンと落ちる。(お部屋のブレーカーが落ちるみたいな感覚)
もう一度やり直すと、同じくライト類は点灯するけどやはりセルを押すと電源が落ちる。を繰り返す。
・走行時、点火不良が起こったようにエンジンが不調になり、まともに走れない。時にはマフラーから爆竹を鳴らしたような大きな音を連続で発します。
こんな症状が突発的に発生した場合、バッテリー端子の増し締めが可能な工具類を車載していた場合、復帰できるかも。早期発見の場合に限りますが。
などの理由から、純正バッテリー最強説が揺るぎませんが結一のウィークポイントは価格がお高いこと。年々値上がりしているのではないでしょうか?
続いて、当店がいまのところリチウムイオンバッテリーを除いて唯一取り扱っている社外バッテリーが...
スリーマイルズテーシーSVRバッテリー。
SVRバッテリーは、ハーレー純正バッテリーをOEM供給している同メーカーが同一工場で生産している製品。つまり中身は純正と同じ。
ただし、先程も少し触れたパテントの問題も知っておく必要があります。
側がホワイトで純正と違うのは見て解りますが、端子の構造がちと違うのです。
H-D純正(上)
スリーマイルズSVR(下)
ブロック構造の端子であることは同じで、純正と同様に強いトルクで締められますが...
よくよく見ると端子の“ツラ位置”が異なります。
真上から見ると...
純正はバッテリー本体と同じツラ位置までシッカリ端子がありますが、
SVRバッテリーはバッテリー本体のツラ位置より数ミリだけ端子が奥まっているのがわかりますね。これではシッカリとケーブルの面を密着して止められませんので、
この隙間にカマすための専用カラーが付属されています。
実際に取り付けるとこんな具合に。
これが当店の経験上において申し上げれば、
『純正の端子よりも緩みやすい』
ということです。
『緩みやすいんだったら、ネジのロック剤を入れて固めちゃえばいいんだよ』なんて意見を時々耳にしますが、これが実はナンセンス。まず、通電する箇所ですのでNG。そして、圧着を要する箇所はトルクで締め付けることにより金属同士の密着性が高まる仕組み。固めても振動が影響すると金属の痩せや弾性によって密着性が下がり結局は上記のような症状が発生する原因となります。つまり増し締めできる状態が必要ということ。
純正バッテリーだとこんな感じでピッタリと密着。パテントのパワーは恐ろしいです。
やはり一番重要なメインのケーブルをはじめに端子に合わせます。
最近では、充電補助器の配線や電熱ウェア類の配線等複数の配線を共締めする場合がありますが、共締めする枚数が増えるほど端子が緩む原因となります。
ちなみに私もSVRバッテリーを近年2回連続で使用していますが、この端子構造の理由から定期的に端子の緩みチェックと増し締めをしながら使用しています。
せっかくバッテリー代が純正よりも安く上がっても、端子が溶けたり、点火装置がパンクしたら本末転倒ですので...。
と、いうここまでのバッテリーのお話をまとめると...
・総合的には純正バッテリーがトラブルリスクが少なく無難。
・SVRバッテリーは端子の増し締めを定期的に行いながら使えば純正よりもリーズナブルで◎現実的には自分で増し締めが出来ないとちょっとツラいかも。
・本体が純正と同構造のAGMバッテリーではない格安バッテリーは...当店では使いませんので解りません。
どちらを使用しても、充電補助器で定期的に充電することでバッテリー寿命を最大限に伸ばすことができ、長期的には一番お財布に優しい。
よく聞かれる質問です。
バッテリー充電の頻度は?
ですが、可能な頻度で定期的に決めて行うのが理想です。(例えば、1週間毎・1ヶ月毎・使用する前後など)
繋ぎっぱなしでいいの?
オプティメイト1プラスや当店が以前販売していたバッテリーテンダーは『メンテナンス充電モード』があるため直接バッテリーを痛めることはないとされていますが私は不信心なエコ派なので満充電になれば外してしまいます。
また、クラシックな急速充電器などは充電するたびにバッテリーを痛めるものもあります。
近年続々新発売されていいるリチウムイオンバッテリーも複数年レベルで費用対効果のデータが揃えば今後バッテリーの主流となるのかも知れません。
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