2020年5月17日日曜日

【トラブルシューティング】

ベガス本店ショールームです♪

毎年のことではありますが、シーズンに突入すると一気にたくさんのオーナーがバイクに乗り始めますのでご質問やご相談ゴトも多くなってまいります。

そのひとつが、『トラブルシューティング』について。

トラブルシューティング(英 Troubleshooting)は、問題解決の一手法である。 とWEBにはありますが、

バイクにおいてはトラブルに対する診察と対処。

電話によるトラブルシューティングは、オーナーを通して得たマシントラブルの状況を聞いて、それまでの知識や経験から何が原因となっている可能性が高いのか、また、それを現場で対処できる内容か否か、また、ズットライドレッカーなどによるレッカーで搬送する緊急性が伴うかなどを可能な限り判断してご案内することです☆

ちょうど昨日、当店でご購入いただいたFLSTNのオーナーよりご相談がありました。


その内容の第一声は...

『セルが回らず、エンジンがかからない』

この質問で我々ロープーが真っ先に疑ってしまうのが...



キルスイッチがOFFになっている可能性。

これは結構ベテランオーナーさんにも多い事例で、普段あまり使わないキルスイッチが不意に押されている場合です。



キルスイッチがOFFになっているとスイッチを入れた際にランプ類とインジケータ類は点灯するものの、セルは回らない。

インジェクションモデルの場合、エンジンチェックランプも点灯せず、フューエルポンプの作動音もしませんので解り易いかもしれません。

【マメ知識】
ハーレーの場合はこのような構造となっておりますが、メーカーによってはセルモーターは回るが点火がカットされるという構造のものもあり、その場合気付かずにモーターを回し続けるとバッテリーが上がる原因ともなりますので、どちらが有効な構造なのかは微妙なラインです。


さて、電話のお話に戻しますが、
さらにヒアリングを続けると...

『スイッチを入れてもインジケーターが付かない』

また、
『2週間前には特に異常なく走った』

さらに、掘り下げて伺うと...

『スイッチをひねったタイミングによってはインジケーターが点くこともあるが、その時にスターターを押してもセルモーターが回らない』



...ナルホド。
この時点で私の出したひとつの可能性が、

『イグニッションスイッチの接触不良または故障』

このクラシックタイプのイグニッションスイッチ内は電極接点が接触することにより通電する仕組みですが、接点の錆で同様の症状が起こることがあります。

この場合、応急的にはメーターダッシュパネル、イグニッションスイッチの順で分解し、電極接点のサビを除去するか接点復活剤というケミカルを使用するかですが...

この時オーナーは工具を持ち合わせておらずNG。

次の対処として、イグニッションスイッチの原因を摘めない以上はレッカー搬入することが最善のリスクヘッジであることをお伝えしつつ、現状オーナーが出来ることとして唯一残っている改善の可能性として、

『バッテリー端子の増し締め』

をご提案いたしました。

もしかしたら、スイッチの接触不良は表面上の原因で大元となるバッテリーの接続接点が原因となっている可能性も考えられたからです。

バッテリー端子の緩みに関する記事はコチラ☟


FLソフテイルのバッテリーへのアクセス方法と、バッテリーターミナルを締めるための10Mレンチは一般的なモノなので家庭にも1本くらいあることをお伝えして電話をお切りしたところ、その10分後...

『無事始動できました!』

とのご返答をいただきました。
とはいえ、さらにイグニッションスイッチの点検を実施したほうが良さそうですが。

...ということで、場合によっては出先で復帰できる可能性を高めることができるのがその『備え』。

【車載工具】


画像は当店在庫商品ですが、持っていたほうが良い最低限のセット内容は、

コンビネーションレンチ
レンチと対のソケットセット
ヘックスレンチ
トルクスレンチ
モンキーレンチ
+-ドライバー
プライヤー
プラグソケット
10Mレンチ

など

比較的インジェクションモデルにお乗りのオーナーは積まない傾向が強いモノですが、今回のようなケースも考えると積んでおいて損はないです。私の場合、出先で引っ張り出すことはほとんどありませんが、積んでおかないと心細くなります。

【バッテリーまでのアクセスが出来るようにしておく】



ほとんどのモデルがリアシートの後ろにあるボルトを外すことでシートが外せます。ノーマル車の場合マイナスかプラスのボルトで、カスタム車や社外シートを使用している場合インチのヘックスボルトを使っていることもあります。



画像のファットボーイやヘリテイジクラシック系、ブレイクアウトなどシートが2ピースに分かれている場合はさらにライダーシートを外します。



一見手で回せそうですが、固い場合もありますのでプライヤーを持っていると◎。



これでソフテイル系はバッテリーターミナルへのアクセスが可能となりますが、不用意に自分で脱着することはオススメしません。理由は先に貼ったリンク記事にも書きましたが、強いトルクで圧着していることが求められるターミナルをユーザーが締めた際に緩みが発生する率が高いからです。逆に定期的に増し締め点検が出来れば理想ですが、締めすぎも注意。ターミナルを脱着する際の工具は10Mスパナ。

また、インジェクションモデルはECM(サンダーMAXなどのパフォーマンス系ECMも同様)を保護するために事前にヒューズを抜いておくこともセオリーです。さらにサンダーMAXは一度でもバッテリーターミナルの脱着を行った場合、本体の初期化作業が必要となります。

ソフテイル以外の車種のバッテリーまでのアクセスのおおまかな工程も載せておきます。

【ダイナ】 
シートとバッテリーケースを外す。

【ツーリング】
シートを外す。TOP BOXつきはシートの厚みよりも長いドライバーが必要。インジェクションモデルはさらにECMをずらし、ECMプレートを外す。

【スポーツスター】
03年までのバッテリーが剥き出しのモデルは、バッテリーバンドとシートを外す。
04年以降はサイドカバーを外す。しかし、一方の端子は奥のオイルタンク側に隠れているので、ユーザーレベルでは出来ないかも。

【ショベル以前】
たぶんもう知っているはずです。

工具を何も持ってないとここまでの作業もできません。

さらによくあるトラブルシューティングを載せておきます。


【ガス欠】

これは、バイクを買っていただいて初期段階のお客様に起こる傾向がありますが、ほとんどの原因が給油を感覚で行っている場合に起りがちなトラブルです。

ガス欠防止策は、

『走行距離で給油する』

『残量確認は必ず油面の目視確認

です。

高年式のハーレーには燃料計がついていますが、その場合でも走行距離を目安に給油したほうが安全です。また、残量がわからない場合はタンクを揺らして音を聞くことが最も不正確な方法で、これが原因でガス欠に至ることも多い事例。残量確認は火気に注意し、タンクキャップを開けてタンク下より油面が何センチあるかを見ることに尽きます。暗くてタンク底が見えない場合はスマートフォンのライトを使用してでも見るべきです。


【スパークプラグのかぶり】

これは、案外にもベテランさんに多いトラブル。
インジェクションモデルではほとんど起こらないトラブルでもあります。

プラグかぶりの詳しい記事はコチラ☟
http://vegasmcs.blogspot.com/2018/06/blog-post_10.html



原因はリンク先の過去記事にも書いたように様々ですが、定期的な交換と、キャブモデルのオーナーは必ず1セットを車載することがポイントです。ベテランオーナーに多いトラブルである理由のひとつは、それまでのキャリアからプラグが原因ではないと思い込んでしまうことです。


トラブルシューティングの話題からだんだんトラブル予防のお話となってしまいましたが、モチロン、予防は大切。定期点検がその要ですが、バイクは機械ですので未然予防の限界もまたあります。例えばタイヤのパンクは、適正な空気圧充填の上、道路の路肩を走らないという予防をしつつも、そこに釘が落ちていれば突発的に起こります。この場合、当店のメカニックが乗るマシンでも路上ではチューブ入りタイヤの修理できません。

...つまり整備工場への搬入が必要なトラブルも存在します!



これも最低限の備えです。
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では、トラブルがないことがイチバンですが、ご自身でできる備えがさらに楽しみを増します!万が一お困りの際はご相談ください☆




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